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学びのユニバーサルデザイン(UDL)で幅広い教育ニーズに対応できる講義を(チャプター6)
講師:川俣 智路(北海道教育大学教職大学院)
実施日:2019.01.24 全62分 視聴数:1522回
講義の概要
学びのユニバーサルデザイン(UDL)は、アメリカの非営利の教育研究開発団体であるCASTが提唱した、多様な学習者に対応できる学習環境を構築することで、自ら調整して学んでいける学習者を育てるための理論的枠組みです。アメリカでは様々な地域、年齢で活用されており、多様な教育ニーズを持つ学生に対応できることから、近年は国内の大学でも文系理系を問わずその取り組みが増えつつあります。UDLを実践するために必要な発想の転換、講義に潜む学びのバリアの発見、オプションと呼ばれる代替手段の準備の方法、大学の講義における実践例などの情報を提供します。
チャプター6:UDLの事例②
チャプター6では、講演者が取り組んだUDLの実践事例について紹介しています。
ここでは、私自身のUDL実践事例である「教育心理学実験」の講義を紹介します。
90人弱の授業において、あらかじめカリキュラムの障害になりそうなものを考え、動画配信やアプリの導入、講義進行の工夫などさまざまなオプションを提供しました。UDLに取り組んだ結果、試験の平均点が15点以上上昇、遅刻する学生が減少し、単位を落とす学生が10分の1になるといった効果が見られました。
UDLは、すぐにできるものではありません。しかし、障害を取り除くために、講義の目標、課程、オプションなどいろいろ考えていくことによって、講義自体の質や受講している学生の学習者としての姿も変わっていくのではないでしょうか。
カテゴリ: 高等教育リテラシー形成