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学生への経済的支援の現状と課題(チャプター6)
講師:小林 雅之(桜美林大学)
実施日:2021.06.19 全70分 視聴数:431回
講義の概要
我が国では2017年より所得連動型奨学金制度と給付型奨学金制度が創設されました。以後、「高等教育の無償化」は突如として国の重要政策課題となり、2007年12月の「新しい経済政策パッケージ」では授業料減免と給付型奨学金の拡充が閣議決定されました。短期間の議論の後、2019年5月には大学等就学支援法が成立して、高等教育の無償化が「限定的に」進んでいます。しかしコロナ禍にある今、教育機会をめぐる経済的支援のあり方は喫緊の重要課題となり、広く国民的議論の必要性に迫られているのが現状ではないでしょうか。
学生支援の現状と課題について、教育機会均等、学生支援の根拠、戦後日本における学生支援制度の変遷等を踏まえながら、コロナ禍対応が迫られる現在を射程に検討いただきます。
チャプター6:まとめ
チャプター6では、講演内容を総括し、今後検討すべき課題を整理しています。
日本において格差が顕在化されなかったのは、根強い進学願望を背景とする「無理する家計」があったためです。最近は、奨学金は借りたくないと考える学生がアルバイト過多に陥利、結果として中退してしまうという事例も生まれており、高等教育のマス化に対応した新たな奨学金政策が必要です。そのためには、ファイナンシャル・プランを見通せるような仕組みづくりが求められるでしょう。
中退防止の施策、オンライン教育の可能性、よりわかりやすい情報提供。学生が大きく影響を受けるSNSの問題についてもさらに検討が求められます。
カテゴリ: 高等教育リテラシー形成