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学生理解と学生発達(チャプター5)

講師:岡田 有司(東北大学)
実施日:2017.09.23 全84分 視聴数:1459回

講義の概要

学生は,正課・正課外を含む大学生活を通じて様々な側面で発達していきます。海外では大学生の発達に関する諸理論が存在し,実証的な研究も蓄積されています。他方,国内には大学生活を通じた発達という視点での研究は少なく,近年実施されるようになった学生調査を中心に現在研究が進められている状況にあります。そこで,本セミナーではまず,こうした学生調査の知見も踏まえながら学生がどのように発達していくのかについて理解を深めます。
また,学習者中心の大学教育の重要性が指摘され,国内でもかかる視点からの改革が進められようとしています。しかし,現状の大学教育には必ずしも学生側の発達的ニーズが十分に反映されていない面があります。本セミナーでは,学生の発達的ニーズという視点から,大学教育における課題について考えていきます。

チャプター5:学習成果の可視化における問題

チャプター5では、近年重きが置かれるようになった学習成果の可視化について、その問題点を検討しています。
学習成果の可視化が推進されています。しかし、例えばレーダーチャートのようなもので可視化した場合、そこには暗黙裡にそれぞれの能力が高い方がいいというメタメッセージが含まれています。つまり、汎用的能力を含む教育目標の設定と測定およびその可視化は、潜在的に万能学生志向の危険性をはらんでいるのです。
「対人的能力」「対自己能力」については得点が高いほどいいとはいえません。人にはそれぞれ個性があります。個々の学生がどう持ち味を生かして発達していけるのかを考えるべきではないでしょうか。そして、自分の強み弱みを自覚し、どうしたらチームとしていい関係性を築けるようになるかを考える必要があると思います。

カテゴリ: 学生支援力形成