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学生理解と学生発達(チャプター4)
講師:岡田 有司(東北大学)
実施日:2017.09.23 全84分 視聴数:1647回
講義の概要
学生は,正課・正課外を含む大学生活を通じて様々な側面で発達していきます。海外では大学生の発達に関する諸理論が存在し,実証的な研究も蓄積されています。他方,国内には大学生活を通じた発達という視点での研究は少なく,近年実施されるようになった学生調査を中心に現在研究が進められている状況にあります。そこで,本セミナーではまず,こうした学生調査の知見も踏まえながら学生がどのように発達していくのかについて理解を深めます。
また,学習者中心の大学教育の重要性が指摘され,国内でもかかる視点からの改革が進められようとしています。しかし,現状の大学教育には必ずしも学生側の発達的ニーズが十分に反映されていない面があります。本セミナーでは,学生の発達的ニーズという視点から,大学教育における課題について考えていきます。
チャプター4:ニーズと大学教育のミスマッチ
チャプター4では、大学教育の問題を発達的な視点からどう捉えるかについて検討しています。
学生は、より専門的な学びへの期待を抱いて入学してきます。しかし実際の大学の教育状況を見ると、多くの大学で初年次教育が実施されるようになったものの、1年次は教養など共通教育や専門基礎教育が中心で、専門志向という学生の発達ニーズと大学の教育環境の間にズレが生じているのです。
発達心理学の発達段階環境適合理論では、発達のプロセスにおいては、個人の発達的ニーズと環境の適合が重要とされています。教育中心から学習者中心の大学教育への転換がめざされている中で、まずは学生の生態とニーズを理解した上で、大学が求めていることを学生に伝えていく、そうすることでミスマッチを減らしていくことが必要ではないでしょうか。
カテゴリ: 学生支援力形成