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2E教育の理念で発達障害のある学生の才能を活かす(チャプター4)

講師:松村 暢隆(関西大学名誉教授)
実施日:2022.12.17 全70分 視聴数:257回

講義の概要

文科省の「特異な才能のある児童生徒の指導・支援」に関する有識者会議の「審議のまとめ」が提出され、学校内外で実証研究等の取組が開始されます。才能と発達障害等を併せもつ「2E(トゥーイー)」(twice-exceptional)の子どもへの対応も、検証課題とされています。高等教育でも、発達障害のある学生への支援が進んできましたが、「2E教育」の観点から、合理的配慮の修学支援を超えた、学習・生活・就労等の総合的支援の可能性を探ることも有意義でしょう。才能や才能教育・2E教育の概念や実践の背景を押さえた上で、発達障害のある学生を2Eと捉え直し、2Eの学生が個別最適な学びの場で才能を発揮できる支援の在り方を考えます。

チャプター4:4.才能のある子の指導・支援の場と方法①

チャプター4では、アメリカや日本での具体的な取り組み事例も交えながら、才能のある子の指導・支援に求められる多様性について検討しています。
才能のある子の指導・支援の場と方法は多様であるべきです。重要なのは、選別した才能のある子に別途、特別な指導の場所・時間を設けるのではなく、教室をベースとしながら多様性を包摂するようにしていくことです。才能教育には、才能を識別して選抜した一部の生徒を対象とする「狭義の才能教育」と、才能は識別せずに、全ての生徒を対象とする「広義の才能教育」があり、この2つの連携を図ることが求められます。アメリカには、全ての子どもの才能を活かす通常学級ベースの拡充モデルがありますが、これは、日本での個別最適・協働的な学びと理念・方法の点で共通するところがあります。

カテゴリ: 学生支援力形成