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学士課程教育における日本語リテラシーを考える(チャプター4)

講師:滝浦 真人(放送大学)
実施日:2022.04.23 全78分 視聴数:208回

講義の概要

現在多くの大学では、初年次教育や基礎ゼミナールのなかで、レポートや論文の書き方が指導されています。大学生が日本語で読み・書き・考えるスキルを身につけることは、現在の学士課程教育における重要な教育目標の一つであるといえるでしょう。「知る・読む・考える」ことに習熟しながら「書く」ことを学ぶ意義や面白さについて考えます。

チャプター4:2.実践的検討:「自分ニュース」の試み(2)

チャプター4では、受講者から事前に提出された「自分ニュース」を材料に、「自分ニュース」のスタイル、語り口を検討しています。
<例1>は、出勤前に起きた家庭での1シーンを5W1H+伝聞で構成、<例2>は、深夜の地震体験を、5W1Hを薄めに、伝聞の部分を厚めにまとめたものです。<例3>は、要約の後に報道側のコメントや視聴者へのコメントを挿入し、ニュースらしい仕立てに、<例4>は客観化するための道具立てとして、容疑者、否認などの言葉を上手に散りばめています。<例5>は、ニュースらしく三人称で伝えようとしながらも、一人称での表現が残ってしまった例です。
事柄が私的だから一人称にしかなりようがない、事柄が三人称だから自動的に三人称になるということではなく、求められているものは何か、目的は何かから文体を選択することが「日本語リテラシー」の第一歩なのです。

カテゴリ: 高等教育リテラシー形成