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歴史から見た大学:中世から現代まで(チャプター3)
講師:寺﨑 昌男(立教学院)
実施日:2013.09.01 全132分 視聴数:2175回
講義の概要
「過去を学び,現在を知り,未来を創造する」(Creating the Future of Faculty Development Learning From the Past, Understanding the Present)とは,アメリカの大学教育開発に大きな影響を与えたマリー・ソルチネッリらの著書の表題です。90年代から,様々な大学改革の制度が導入されてきました。大学設置基準の大綱化,大学評価,任期制,国立大学法人化,学士力,3つのディプロマポリシーなど,あまりにも多くの改革論が流布し,大学人は振り回されがちです。大学を真によくするためには,過去を理解することで大学の現在を知り,大学の未来を展望することが重要です。アメリカの高等教育に関する大学院プログラムでは,高等教育の歴史が重視され,大学教員の身につけるべき素養としても筆頭に掲げられているのは当然のことと言えましょう。
本動画では,日本における大学史研究のパイオニアであり,日本教育学会長・教育史学会代表理事・大学教育学会長を歴任し,大学教育の研究と実践に半世紀にわたって大きな足跡を残している寺﨑昌男氏(東京大学名誉教授)を囲む座談会形式で,歴史の視点から大学のあり方を学びます。
チャプター3:井上毅による制度改革
チャプター3では、文部大臣井上毅による教育制度改革について取り上げています。
1893年(明治26年)文部大臣に着任した井上毅は、教育制度の改革に着手し、講座制による専門性の確立、教授会の設置を行いました。
講座の設置は、専攻の責任体制を確立し教授の責任を明確にするものでした。また、井上は諸外国の大学管理運営制度を徹底的に調査し、学部教授会に学課課程編成権を与えるよう帝国大学令を改正しました。これは、教授会自治の原型として現在まで続いています。なお、教員人事権も大学に与えるべきとしましたが、法制化には至りませんでした。
講座制と教授会の設置によって、近代日本の大学の法的自治権の最高範囲が決まったといえるでしょう。
カテゴリ: 高等教育リテラシー形成