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インストラクショナルデザインへの誘い(チャプター2)
講師:鈴木 克明(熊本大学)
実施日:2016.08.09 全103分 視聴数:5796回
講義の概要
インストラクショナルデザインは、大学教育・大学院教育や社員・職員研修等において、最適な効果をあげることを目的とした教育・研修プロセスの設計であり、学習者の学習への取組を促進するための意図的な仕掛けです。インストラクショナルデザインの3要素といわれる「学習目標」「評価方法」「教育内容」を首尾一貫したものとして計画し、成果の見える学習環境をデザインするにはどのようにすればよいでしょうか。日本におけるインストラクショナルデザインの第一人者、鈴木克明熊本大学教授(大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻)を講師としてお迎えし、インストラクショナルデザインの基本的な考え方、実践的なデザインのプロセスについて、講義とワークショップを通して学びます。
チャプター2:『教材設計マニュアル』の誕生
チャプター2では、鈴木先生が、「教育方法」のテキストとして著した『教材設計マニュアル』での重要ポイントについて述べています。インストラクショナルデザイン(ID)を学んできた者として、「教育方法」について語りたいことをすべて書きました。すべて書いた結果、実際の講義で話すべきことがなくなってしまった。。。とはいえ、学生にテキストを読んでと言っても、なかなか読んではくれないため、次のような方法を採用しました。
「最初の15分で確認テストを行い、その後隣り合う学生同士でお互いのテストについてのチェックと採点を行う、最後にお互いの質問を受けるという方法」
これは、自分で勉強する、そして他人を採点する、つまりダブルで勉強することになるのです。これを繰り返していくと、どれくらい勉強してくれば合格点が取れるかがわかるようになり、さらに学ぶ力となります。この経験を通してわかったのは、教員が一方的に話す「講義」という方法では、学習効果はあがらないということです。実際に学生にさせてみて、その結果を評価するという学習者の能動的活動を主体にすることの大切さでした。
カテゴリ: 高等教育リテラシー形成